中国輸入の基礎

【保存版】食器・玩具の中国輸入|食品等輸入届出手続きと食品衛生法の完全ガイド

こんにちは。
中国輸入OEMマスター龍です😀

「中国から食品や食器を初めて輸入しようと思っています。でも正直なところ、『食器や子ども用のおもちゃまで届出が必要なのか?』と疑問です。税関や法律上の手続きが複雑そうで、どこまで準備すればいいのか不安でいっぱいです…」

質問者
質問者
龍

食品衛生法は、販売を目的として輸入される「食品等」すべてに適用される法律です。
ここでいう食品等には、口に入れる食品だけでなく、
食器・調理器具・そして乳幼児が使用するおもちゃまで含まれています。
逆に言えば、自分で食べるために持ち込む場合や、親戚に送る程度の個人使用目的なら届出は不要です。

ただし、「今まで届出を出していないのに通関できた」というケースがあっても、
それはあくまで“たまたま”問題なく通っただけで、本来は書類の提出が求められていた可能性もあるのです。

この記事では、販売用の食品・食器・6歳未満向けのおもちゃを輸入する際に必要な届出の流れを、
初心者の方にも分かりやすく解説しています。
これを読めば、

  • 「自分の場合は届出が必要なのか」
  • 「どんな手続きが必要なのか」

がしっかり理解でき、安心して輸入を進められます。

食品衛生法について

食品を海外から日本に持ち込む際には、必ず日本の法律である「食品衛生法」が関係してきます。

この法律は、私たち消費者が安心して口にできるように、
食品そのものはもちろん、容器や包装資材についても
衛生面・安全性を確保するための基準を定めているものです。

特に注意が必要なのは、輸入される食品そのものに加えて、直接食品に触れる容器や包装、
さらには食器や調理器具なども場合によっては規制の対象となる
点です。
つまり「食べ物だけでなく、それに接触するものすべてが管理の対象になる可能性がある」ということを覚えておく必要があります。

出典:厚生労働省 → 食品衛生法に基づく輸入手続

食品等輸入届出について

海外から食品やその容器・包装を日本に持ち込む際には、
厚生労働省へ「食品等輸入届出書」を提出する義務があります。

この届出は、輸入される商品が日本の食品衛生法に基づいた基準を満たしているかどうかを確認し、
消費者の安全を守るために行われる重要な手続きです。

通常は、税関での輸入申告に必要な書類とあわせて、この届出を提出する流れとなります。
届出がなければ、輸入した商品は検査を受けられず、通関手続きが進まずに販売も不可能となってしまいます。

つまり、食品等輸入届出は「輸入した商品を日本で販売できるかどうか」を決定づける、大前提のステップです。

食器や玩具も届出が必要なのか

「食品等輸入届出」と聞くと、つい“食品そのもの”だけを想像しがちですが、
実際にはそう単純ではありません。

輸入品の中には、食品と直接触れる食器・調理器具・容器なども対象に含まれることがあり、
さらに赤ちゃんや乳幼児が口に入れる可能性のあるおもちゃ類も規制の範囲に入る場合があります。

ただし、すべての商品が一律に届出を必要とするわけではなく、
材質・構造・使用される状況によって扱いが異なります。
例えば、食品と接触しない装飾品的な食器や、口に入ることを前提としていない玩具は届出の対象外になることもあります。

手続きの流れ

食品等輸入届出を行う際は、まず最初に輸入を予定している商品の情報を整理する必要があります。
具体的には、成分表や原材料の詳細、製造工程や工場に関する資料など、
安全性を確認するために必要なデータを揃えるところから始めます。

その後、集めた資料をもとに「食品等輸入届出書」を作成し、必ず通関手続きを行う前に提出します。
提出内容に不備や問題がなければ、厚生労働省から「届出済証」が発行され、正式に輸入が認められる流れとなります。

なお、初めて手続きを行う場合や書類の準備に不安がある場合は、
専門の代行業者にサポートを依頼することでスムーズに進められるため安心です。

初心者が気をつけるべき注意点

中国からの輸入を初めて行う方が特に迷いやすいのが、
「どの商品が食品等輸入届出の対象になるのか」という点です。

食品や飲料は当然ながら対象となりますが、それだけではありません。
食品に直接触れる食器や調理器具
さらに乳幼児が口に入れて使用するおしゃぶりや哺乳瓶などの育児用品も届出が必要となる場合があります。

一方で、口に触れることが前提ではない
文房具やぬいぐるみといった一般的な玩具類は対象外とされるケースもあります。
ただし、商品によって判断が異なるため「必ずしも一律ではない」という点に注意が必要です。

そのため、輸入前には必ず厚生労働省が公表している最新情報を確認することが大切です。
事前に確認を怠ると、通関で止められてしまい、販売計画に大きな支障をきたす可能性もあります。

食品など輸入届出の提出が必要な品目について

「食品衛生法」という名称から、多くの人はまず“食品そのもの”を思い浮かべるでしょう。
もちろんそれは正解ですが、対象は食品にとどまりません。

厚生労働省の公式情報では、あえて「食品等」という表現が用いられています。
これは、食品だけでなく、その安全性に直結する容器・包装、調理器具、さらには乳幼児向けのおもちゃ
なども規制の範囲に含まれるためです。

したがって、「食品等」を海外から輸入する場合には、
以下に示すような品目が食品衛生法の対象となり、届出の提出が求められることになります。

器具について

法律

この法律で器具とは、飲食器、割ぽう具その他食品又は添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受又は摂取の用に供され、かつ、食品又は添加物に直接接触する機械、器具その他の物をいう。ただし、農業及び水産業における食品の採取の用に供される機械、器具その他の物は、これを含まない。

食品衛生法第4条第4項

「器具」の定義について

「器具」という用語については、食品衛生法第4条第4項において明確に定義されています。
特に押さえておくべきポイントは、「食品に直接触れるものが対象となる」という点です。

たとえば、調理の際に食材を直接のせて使用するまな板は食品衛生法の規制対象に含まれます。
一方で、まな板を立てかけて保管するためのまな板スタンド
食品に直接触れるものではないため、法律の適用品目には該当しません。

食器例

  • はし
  • スプーン
  • フォーク
  • ストロー
  • 水筒

食品を加工する器具の例

  • まな板
  • 包丁
  • フライパン
  • お玉
  • ボウル

食品の容器包装

「容器包装」の定義

この法律で容器包装とは、食品又は添加物を入れ、又は包んでいる物で、食品又は添加物を授受する場合そのままで引き渡すものをいう。

食品衛生法第4条第5項

「容器包装」の材質

器具又は容器包装には、成分の食品への溶出又は浸出による公衆衛生に与える影響を考慮して政令で定める材質の原材料であつて、これに含まれる物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を除く。)について、当該原材料を使用して製造される器具若しくは容器包装に含有されることが許容される量又は当該原材料を使用して製造される器具若しくは容器包装から溶出し、若しくは浸出して食品に混和することが許容される量が第一項の規格に定められていないものは、使用してはならない。ただし、当該物質が人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて溶出し、又は浸出して食品に混和するおそれがないように器具又は容器包装が加工されている場合(当該物質が器具又は容器包装の食品に接触する部分に使用される場合を除く。)については、この限りでない。

食品衛生法第18条第3項

「容器包装」のパッケージ表示

第二十条 食品、添加物、器具又は容器包装に関しては、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならない。

食品衛生法第20条

乳幼児用のおもちゃ・玩具について

乳幼児向けのおもちゃは、子どもが口に入れたり、なめたりすることを前提に設計されている点が特徴です。
そのため、使用される材質や塗料の安全性について、輸入時にきちんと申告を行う必要があります。

また、ここでいう「乳幼児」という言葉の範囲を理解しておくことも大切です。
児童福祉法の定義によれば、乳児とは生まれたその日から満1歳未満までの子どもを指し、
幼児とは満1歳から小学校入学前までの子どもを指します。
つまり、乳幼児用のおもちゃとされるものは、こうした年齢層を対象としている製品ということになります。

乳幼児用のおもちゃの例

  • 対象年齢が6歳までのおもちゃ
  • アクセサリー玩具(乳幼児がアクセサリーとして用いる玩具をいう)
  • うつし絵
  • 起き上がり
  • おめん
  • 折り紙
  • がらがら
  • 知育玩具(口に接触する可能性があるもの)
  • つみき
  • 電話玩具
  • 動物玩具
  • 人形
  • 粘土
  • 乗物玩具
  • 風船
  • ブロック玩具
  • ボール
  • ままごと用具

食品等輸入届出手続きの手順について

なお、中国から食品や関連製品を輸入する際には、
代行業者がすべての書類を自動的に準備してくれるわけではない点に注意が必要です。

基本的に、「食品等輸入届出書」「その他の関係書類」については、
輸入者である日本側の自身が主体となって手配・準備することが原則となります。

一方で、中国現地でしか取得できない書類も存在します。
たとえば、原産地証明書原材料・成分表などは中国側で発行されるため、
あなたから依頼を受けた内容に応じて、代行業者が現地で用意する形となります。

食品等輸入手続き方法は以下サイトから

東京検疫所食品監視課
問い合せ先:03-3599-1520
所在地:〒135-0064 東京都江東区青海2-7-11 東京港湾合同庁舎8階

自分が輸入しようとしている製品が届出の対象になるのかどうか
また提出の際にどのような資料を用意すべきかについては、事前に確認しておくことが重要です。
これらは、厚生労働省が設置している食品等輸入届出受付窓口、あるいは東京検疫所の食品監視課へ問い合わせることで、
具体的な指導や案内を受けることができます。

食品等輸入届出と成績書について

生鮮食品をはじめ、食器や乳幼児向けのおもちゃなどの特定品目については、
検査機関が発行する試験成績書(検査証明書)が求められます。

中国輸入においてタオバオ・1688.com・アリエクスプレスなどのECサイトから仕入れを行う場合、
次の2つの方法で成績書を取得するのが一般的です。

  • 製造工場から必要書類を入手する
  • 第三者検査機関に依頼し、検査を実施して成績書を取得する

ただし、【製造工場から必要書類を入手する】場合、
工場が原産地証明や試験成績書を提示するかどうかは最終的に工場側の判断となります。

検査の種類と費用について

食品を海外から輸入する場合には、
日本の食品衛生法で定められた安全基準を満たしているかどうかを確認するために、
必要に応じて各種の検査を受けることがあります。

どのような検査を受けるかは、輸入する食品の種類や成分、保存方法、さらには健康被害のリスクの有無によって異なります。
以下では、輸入手続きの際に実施されることの多い代表的な検査項目と、それぞれの費用の目安について解説していきます。

有害物質に関する検査

輸入される食品や関連製品については、
鉛やカドミウムといった人体に有害な重金属が含まれていないかを確認する検査があります。

特に、口に直接触れる可能性の高い食器や調理器具の場合、この検査は欠かせません。
検査では、実際に食品や飲料と接触した際に、
有害物質が溶出して人体に移行しないかを詳細にチェックします。

もし検査の結果、基準値を超える量の有害物質が検出された場合、
その製品は日本国内に輸入すること自体が認められません

検査にかかる費用は製品の種類や依頼する検査項目の範囲によって異なりますが、
おおよそ1万〜3万円程度が一般的な目安となっています。

微生物に関する検査

肉類や乳製品、総菜などの食品を海外から輸入する場合には、
細菌やウイルスの有無を確認する微生物検査が求められます。

具体的には、サルモネラ菌や大腸菌群など、
食中毒の原因となる代表的な微生物について調べ、安全性を確認します。
この検査を通じて、輸入後に販売する際に消費者へ提供できるレベルの衛生基準を保証することができます。

ただし、検査には数日を要する場合があり、その間に商品の鮮度が落ちやすい点にも注意が必要です。
特に消費期限の短い食品では、検査待ちの間に劣化するリスクもあるため、
輸入計画を立てる際に考慮しておく必要があります。

検査費用は商品や検査内容によって異なりますが、数万円程度が一般的な目安とされています。
輸入初心者の方は、まずこの検査が必要となる品目をしっかり把握しておくことが重要です。

衛生証明書を取得するための検査

特定の食品については、輸入時に「衛生証明書」の提出が求められるケースがあります。

この証明書は輸出国の政府機関や公的な検査機関が発行する公式文書で、
日本に輸入する際の必須条件となることがあります。
そのため、輸入前に現地で必要な検査を受けてから証明書を取得する流れになる場合も少なくありません。

ただし、この手続きの内容や要件は輸出国ごとに異なり、
検査方法や発行費用にも幅がある点に注意が必要です。

スムーズに進めたい場合は、現地事情に詳しい代行業者に依頼する方法もありますが、
その分追加の手数料が発生することも理解しておきましょう。

残留農薬に関する検査

野菜や果物といった農産物を海外から輸入する際には、
農薬が残留していないかを確認する検査が必要となります。

日本では世界的に見ても厳しい残留基準が定められており、この基準を少しでも超えてしまった場合、
その食品は輸入が認められず販売できないことになります。

検査は専門の検査機関で実施され、対象となる農薬の種類や使用状況によって検査項目が変わります。
また、検査結果が出るまでにはおおよそ1週間程度を要するケースもあり、その間は輸入手続きが進められません。

費用については商品や検査項目の数によって幅がありますが、
数万円単位が一般的な目安と考えておくと良いでしょう。

検査費用の全体的な目安

輸入する食品の種類や性質によって、必要となる検査の内容や範囲は大きく変わります。

たとえば、シンプルな有害物質の検査のみであれば1万円前後で対応できるケースもありますが、
複数の検査が必要になってしまった場合は、10万円を超える費用になることも珍しくありません。

また、輸入する数量が少ない場合には、検査費用が1商品あたりのコストとして大きくのしかかるため、
小規模輸入を行う初心者は特に注意が必要です。

そのため、無駄な検査を受けて余計なコストを発生させないためにも、
事前に「どの検査が必須なのか」をしっかり確認することが重要です。

加えて、経験豊富な代行業者や専門のコンサルタントに相談することで、
必要な検査内容や優先順位について的確なアドバイスを受けられるため、スムーズに輸入手続きを進めることができます。

食品衛生法における罰則規定

食品衛生法に定められた罰則規定は、平成14年に改正され強化されています。

背景には、食品の輸入や販売において不正を行う業者が存在し、
それを防止するためにより強い抑止力を働かせる必要があったことが挙げられます。
消費者の安全を守るために、法律違反に対しては以前よりも厳しい対応が取られるようになったようです。

具体的な内容としては、以下のような罰則が規定されています。

食品等の輸入手続に関する相談窓口

多くの中国輸入代行業者に共通して言えることですが、
食品輸出に関しての専門機関ではないという点を理解しておく必要があります。

その理由は明確で、食品衛生法は日本国内の法律であり、
代行業者の専門分野はあくまで中国現地での仕入れや通関に関する手続きだからです。

もちろん、依頼いただいた書類の準備や、これまでの経験に基づいたアドバイスは可能です。
しかし、最終的に正確かつ確実な情報を得るためには、
食品輸入を専門に扱っている公的機関や、
検査・届出に精通した民間の専門企業へ直接相談することをおすすめします。

ポイント

まとめ

中国から食品や食器、乳幼児用おもちゃなどを輸入する際には、
日本の食品衛生法に基づいた届出や検査が欠かせません。

輸入者自身が準備すべき書類や、製造工場や検査機関から取得しなければならない成績書など、
手続きは決して簡単ではありませんが、正しい知識を持ち、必要な流れを押さえれば不可能ではありません。

また、輸入品によって必要となる検査の種類や費用は大きく異なり、
場合によっては数万円〜十数万円のコストが発生します。
小規模輸入者にとっては負担も大きいため、「どの検査が本当に必要か」事前に確認することが重要です。

さらに、罰則規定も厳格化されているため、法律に違反すれば重い罰則を受ける可能性があります。
トラブルを避け、安心して輸入ビジネスを進めるためには、
厚生労働省や検疫所といった専門窓口への相談や、経験豊富な代行業者・検査機関のサポート
うまく活用することが成功のポイントです。

本記事で紹介した手続きの基本を押さえておけば、食品等の輸入をスムーズに進めることができるはずです。
安全性を第一に考え、確実な手続きで安心できる輸入ビジネスを展開して下さい。

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