中国輸入の基礎

【中国輸入】洗濯表示と品質表示の基礎知識|中国語表記の解説付き

こんにちは。
中国輸入OEMマスター龍です😀

中国からアパレル製品を仕入れて日本で販売しようとしたとき、最初に気をつけたいのが 「品質表示タグ」や「洗濯表示タグ」 の存在です。
「本当に必要なの?」「中国語のままでもいいの?」と疑問に思う方も多いですが、実際には販売時に欠かせない重要な要素となります。

この記事では、中国輸入での洗濯表示と品質表示の基本ルール、さらに よくある中国語表記の意味 をやさしく解説します。
これを読めば、タグ対応の不安を解消し、自信をもって販売できるようになるはずです。

日本国内での販売には日本語の洗濯表示が必須

中国輸入では、多くの方が衣類やファッション関連の商品を仕入れて販売しています。
ところが、実際に日本市場で販売されている輸入アパレルの中には、正しく日本語で表記された洗濯表示タグが付いていないケースも少なくありません。

ここを曖昧なまま販売してしまうと、思わぬクレームやトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。

まずは、なぜ中国から輸入したアパレル製品に日本語の洗濯タグが必要なのか、その理由について解説していきましょう。

日本の法律で義務化されているため

日本で販売される衣料品には、必ず 日本語で表記された洗濯表示タグ を取り付けなければなりません。
これは「家庭用品品質表示法」という法律に基づいて定められており、消費者が商品を安心して使用できるように情報を正しく伝えることを目的としています。

この法律に従うことで、購入者は洗濯方法や取り扱い方を誤ることなく、衣類を安全に利用することができます。
反対に、表示を怠った場合には、行政からの指導や改善命令、さらには罰則を受ける可能性もあります。

したがって、中国輸入をはじめとするアパレル販売者は、法令を守った適切なタグ表示を徹底することが必須 となります。

顧客に安心して使ってもらうために

正しい洗濯表示は、衣類の生地を守り、縮みや色落ちといったトラブルを防ぐために欠かせない情報です。
消費者は表示を確認することで、どのように取り扱えば長く快適に着用できるかを理解でき、安心して商品を利用できます。

一方で、誤った洗濯方法を選んでしまうと、商品の劣化だけでなく、思わぬ事故や怪我につながるリスクも否定できません。
そのため、誰が見てもわかるように 日本語で明確に表示することが重要 となります。

このような取り組みを徹底することで、顧客の安全を守るだけでなく、ブランドや販売者に対する信頼性を高め、製品の品質保証にもつながります。

健全なアカウント管理を維持するため

正しい品質表示や洗濯表示を行うことは、購入者からの信頼を高めるだけでなく、販売者自身のビジネス基盤を強化する重要なポイントです。
特にネットショップやECモールなどのプラットフォームでは、法令に則った正確な対応をしているかどうかが、出品者の信用度に直結します。

一方で、表示に不備があったり不正が疑われたりすると、プラットフォーム側からアカウント停止や出品削除といった厳しい措置を受ける可能性があります。
これは単なる一時的なトラブルにとどまらず、長年積み上げてきた販売実績や顧客からの評価を失うことにもつながりかねません。

そのため、持続的にビジネスを展開していくには、法令遵守を徹底し、健全なアカウント管理を行うことが不可欠 です。

中国語の洗濯表示と意味一覧

中国から輸入したアパレル製品のタグには、下記のような中国語の洗濯表示がよく使われています。
それぞれの表記の意味を理解しておくことで、正確な日本語タグへの付け替えや商品説明文の作成に役立ちます。

中国語表記日本語の意味解説・注意点
不可漂白漂白不可塩素系・酸素系漂白剤ともに使用不可
不可烘干乾燥機不可タンブル乾燥機は使用できない
仅限干洗ドライクリーニングのみ水洗い不可、専門業者に依頼
不可熨烫アイロン禁止熱で生地が傷む可能性あり
低温熨烫低温アイロン可(110℃まで)絹・合成繊維などデリケート素材向け
中温熨烫中温アイロン可(150℃まで)一般的な衣料品に多い
高温熨烫高温アイロン可(200℃まで)綿・麻など丈夫な素材に使用可能
可机洗洗濯機で洗濯可通常コースで洗濯可能
手洗手洗いのみ型崩れやダメージを避けるため手洗い推奨
悬挂晾干吊り干しハンガーに掛けて自然乾燥
平摊晾干平干しニットや伸縮性のある素材に適用
阴干陰干し直射日光を避け、日陰で自然乾燥

中国の洗濯表示と日本の洗濯表示の違いについて

中国で使われている洗濯表示は、基本的に国際的な ISO規格 に準拠しており、日本の洗濯表示とも多くの部分で共通しています。
そのため、洗濯機マークや手洗いマーク、漂白禁止マークなど、主要な記号はほぼ同じで、視覚的には直感的に理解できるものが多いです。

ただし、大きな違いとして注意すべき点は、表示に使われている言語が中国語 であることです。
日本の消費者にとっては「中性洗剤使用」「単独で洗う」などの注意書きがすべて中国語で書かれていると、意味が伝わりにくく、正しい取り扱いが難しくなります。

そのため、中国から輸入した衣類のタグをそのまま使用するのは不適切であり、必ず 日本語での表示に切り替える義務 があります。
特に輸入初心者は、表記の内容や細かい注意書きまでしっかり確認し、日本の基準に沿ったタグに修正してから販売準備を進めることが重要です。

品質表示タグに記載すべき具体的な内容

日本で販売される衣料品には、家庭用品品質表示法 に基づいて、以下のような項目を日本語で明記する必要があります。

  1. 繊維の組成(素材)
     例:綿100%、ポリエステル65%・綿35%など。
     → 消費者がアレルギー対策や購入判断をするうえで重要な情報です。
  2. 洗濯表示
     洗濯機洗い、手洗い、漂白禁止、タンブル乾燥可否、アイロン温度、ドライクリーニングなど。
     → 誤った洗濯による縮みや色落ちを防ぐために必須です。
  3. 原産国名
     例:MADE IN CHINA(中国製)など。
     → 消費者が安心して購入できるよう、製造国を明記する義務があります。
  4. 販売者名・住所
     販売責任を明確にするため、輸入販売元の法人名や所在地を記載する必要があります。
     → トラブルが発生した際に、消費者が連絡できる体制を整えることが目的です。

これらの表示は、消費者が安心して商品を購入・使用するために欠かせない情報であり、法令遵守の観点からも絶対に外せない項目です。

品質表示タグ

品質表示の方法は、全体表示と分離表示の2通りがあります。

全体表示と分離表示については、下記のサイトを参考にしてください。

消費者庁 > 家庭用品品質表示法 > 製品別品質表示の手引き > 繊維製品一覧表 > 繊維製品の表示について

繊維の組成(素材)について

洗濯タグには、衣類に使用されている 繊維の種類と割合 を必ず記載する必要があります。
代表的な例としては「綿100%」や「ポリエステル50%・綿50%」などがあります。

この情報は、消費者が 素材の特徴を理解し、着心地や耐久性を判断するための重要な基準 です。
さらに、素材によって洗濯方法も異なるため、正しくケアを行ううえでも欠かせません。

たとえば、ポリエステルは速乾性がある一方で高温に弱く、綿は吸水性が高い反面シワになりやすいなど、それぞれの特性があります。
そのため繊維組成の表示は、消費者が安心して商品を使うために不可欠な情報なのです。

原産国表示について

衣類の洗濯タグには、製造された国(原産国)を明記すること も義務付けられています。
例えば、中国から輸入した製品であれば「MADE IN CHINA」と表記する必要があります。

この表示は、消費者が安心して商品を購入するための大切な判断材料になります。
特に衣類は肌に直接触れるものなので、どこで生産されたのかを明確に示すことは信頼性の確保につながります。

原産国を偽って表示することは法律違反となり、発覚すれば 販売停止や行政処分 を受ける可能性があります。
そのため、正しい原産国を正確に表記することは、販売者にとって必須の対応です。

販売者名・住所の表示について

洗濯タグには、販売者の名称と住所 を明記することも法律で定められています。
これは、購入者が商品について問い合わせや相談をしたいときに、確実に連絡が取れるようにするためです。

例えば、輸入販売を行う場合は、自社(輸入業者)の会社名や所在地を日本語で記載する必要があります。
表示がないと「責任の所在が不明確」と判断され、消費者からの信頼を失う原因にもなりかねません。

また、法律的にも販売者の情報を正しく表記しないことは違反となり、指導や罰則の対象 になる可能性があります。
そのため、輸入業者にとって販売者情報の明記は、信頼性を守り、トラブルを未然に防ぐための必須項目といえます。

洗濯表示について

衣類のタグに記載されている 洗濯表示マーク(絵表示 は、消費者が正しい方法で衣類を扱えるようにするための大切な目印です。

表示方法についても、下記消費者庁のサイトに詳しく記載があります。

出典消費者庁 > 家庭用品品質表示法 > 製品別品質表示の手引き > 繊維製品一覧表 > 繊維製品の表示について > 4.家庭洗濯等取扱方法

▼ 洗濯表示タグの全マークは下記のサイトから ▼

出典消費者庁 > 家庭用品品質表示法 > 製品別品質表示の手引き > 洗濯表示(平成 28年12月1日以降)

洗濯方法の表示について

「家庭用品品質表示法」では、衣料品のタグに 洗濯方法の表示を行うことが必須 と定められています。
具体的には、洗濯機で洗えるかどうか、手洗いが必要か、漂白剤が使用できるか、またアイロンやドライクリーニングの可否などが記載されます。

これらの情報は、主に記号(洗濯表示マーク)によって示され、消費者が誤った取り扱いをして衣類を傷めたり縮ませたりしないようにするためのガイドラインとなります。
たとえば「アイロン禁止」「弱い洗濯機洗い」「ドライクリーニングのみ」などは、日常的によく見られる代表的な例です。

追加情報の表示について

基本的な洗濯方法に加えて、商品によってはさらに付加的な情報を記載する必要があります。
たとえば、防水加工が施されている製品であれば「撥水加工済み」と明記しなければなりません。
また、特殊な繊維を混合している場合には、その比率を細かく記載することが求められます。

こうした詳細な表示があることで、消費者は商品の特性を正しく理解し、最適なメンテナンスを行うことができます。
結果的に、衣類を長持ちさせ、製品の品質を維持することにもつながるのです。

龍

洗濯記号の表示には順番がある事、記号は製品本体またはラベルに表示し、消費者が見やすく、縫い目に隠れず、容易に取れない方法で確実に取り付ける必要があることが重要!

洗濯表示規則に違反した場合の罰則とリスク

日本の「家庭用品品質表示法」に基づいたルールを守らずに販売を行った場合、事業者には法的なリスクや罰則が課される可能性があります。

具体的には、正しい洗濯表示を怠った際に、行政機関からの指導や改善命令が出されることがあります。
さらに、指導に従わない場合には 20万円以下の罰金 が科されるケースもあり、軽視できるものではありません。

(罰則)
第二十五条 第五条から第七条までの規定による命令又は第八条第五項の規定に違反した者は、二十万円以下の罰金に処する。
第二十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第八条第四項の規定に違反した者
二 第十九条第一項又は第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第十九条第一項又は第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第二十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
第二十八条 第二十一条の規定による命令に違反した場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。

引用:消費者庁 > 表示対策 > 施行令・規則 > 家庭用品品質表示法

また、虚偽の表示や不十分な表示が発覚した場合、対象商品の 販売停止処分 を受けるリスクも存在します。
これに加え、消費者の立場から見ても、誤った洗濯表示によって衣類が破損すれば返品やクレームが相次ぎ、結果的に ブランドやショップの信用失墜 につながりかねません。

こうした問題が積み重なれば、単なる罰金や一時的な販売停止にとどまらず、ビジネス全体の信頼性が低下し、売上減少といった深刻な経営ダメージを招く恐れがあります。

このようなリスクを避けるためには、法律に基づいた正確な洗濯表示を徹底することが不可欠です。

まとめ

  • 中国輸入でアパレル製品を販売する場合、洗濯表示・品質表示の日本語表記は法律で義務付けられている
  • 表示すべき項目は、繊維の種類と割合・洗濯方法・原産国・販売者名と住所など。
  • 洗濯表示マークは国際規格(ISO)に準拠しており基本記号は共通だが、中国語表記のままでは消費者に伝わらないため日本語への切り替えが必須
  • 洗濯表示記号には、表示する順番が決まっており、消費者が見やすい位置に、外れにくい方法で付ける必要がある。
  • 規則を守らないと、行政からの指導や改善命令、最大20万円以下の罰金、販売停止 などの法的リスクがある。
  • 誤った表示は、返品やクレームの原因となり、ブランドの信頼低下・売上減少 に直結する。
  • 適切な表示を徹底することで、消費者の安心感が高まり、販売者の信用度やビジネスの安定につながる。

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