中国輸入の基礎

関税の基礎知識まとめ|個人輸入から中国輸入ビジネスまで役立つ完全ガイド

こんにちは。
中国輸入OEMマスター龍です ^_^

“安いから中国で仕入れよう!”とワクワクしていたのに、到着した商品と一緒に届いたのは思いがけない税金の請求書…。
これがまさに関税です。

関税ってそもそも何?

中国をはじめ、海外から商品を日本に取り寄せるときに、意外と見落としがちなのが「関税」です。
これは国に納める税金の一種で、輸入する品物のジャンルや金額によって課税されるかどうか、また税率がどのくらいになるかが変わってきます。

「えっ、こんなところでお金がかかるの?」と初めて輸入する人は驚くかもしれません。でも、あらかじめ関税の仕組みを知っておけば、思わぬ出費に慌てることもありません。

この記事では、関税の基本的な考え方から、一定条件で免税になるケース、さらに支払いの流れまで、初心者でも理解しやすいようにまとめてご紹介します。これを知っておくだけで、輸入のハードルがぐっと下がりますよ。

関税がかけられる理由とは?

「そもそも、なんで関税なんてものがあるの?」と思った方も多いのではないでしょうか。実は、関税にはしっかりとした目的があるんです。

まず大きな理由のひとつは、国内の産業を守るため。もし極端に安い輸入品がどんどん流れ込んできたら、国内のメーカーや農家が太刀打ちできずに廃れてしまいます。そこで政府は関税をかけることで、輸入品と国内産品の価格のバランスを整えているんですね。

もうひとつは、国の大切な収入源としての役割です。関税で得られた税金は、道路や学校といった公共サービスや社会保障など、私たちの暮らしに欠かせない部分にも活用されています。

さらに、一部の商品――特に食品や医薬品など――は、安全性や品質の確保が欠かせません。関税や規制を通して、基準を満たしたものだけが流通する仕組みになっています。

つまり関税は、単なる「余計な出費」ではなく、経済を安定させ、私たちの生活を守るための仕組みでもあるわけです。

関税の計算方法をわかりやすく解説

「関税ってどうやって計算するの?」と疑問に思う方は多いはず。ポイントになるのは 「CIF価格」 という考え方です。

CIF価格とは、商品代金+送料+保険料 をすべて合計した金額のこと。
たとえば、商品代金が5,000円で送料が1,500円だった場合、合計は6,500円。これが「CIF価格」となり、関税を計算する基準になります。

このCIF価格に対して関税率を掛け算し、さらにその合計に消費税(現在は10%)を足すと、最終的に支払う税額が決まる仕組みです。つまり、単純に「商品代金」だけでなく「送料や保険料」も含めて計算される点が大きなポイントです。

ここで注意したいのが、輸入の目的による違い

  • 個人使用(自分で使うため) の場合は、CIF価格が16,666円以下であれば免税となり、関税も消費税もかかりません。
  • 販売目的(商用利用) の場合は、免税の制度がなく、必ずCIF価格に基づいて関税が発生します。

計算の流れをまとめると、
「CIF価格 × 関税率」+ 消費税(10%)= 最終的に支払う税額
という形になります。

初心者の方は、まず「自分の輸入が個人利用なのか販売目的なのか」を確認し、その上でCIF価格を正しく計算することが大切です。これを理解しておくだけで、予想外の出費に慌てることがなくなりますよ。

関税の支払いはいつ?そして誰が払うの?

「関税って、結局いつ払うの?」と同じくらいよくある疑問が「誰が払うのか?」という点です。

基本的に、関税を支払うのは荷物を受け取る人(=輸入者) です。海外から商品を取り寄せる場合、あなたが注文者であれば、受け取るタイミングで関税を負担することになります。

実際の流れとしては、海外通販や中国輸入で荷物が届いたとき、宅配業者(ヤマト運輸・佐川急便・DHL・FedExなど)が 一時的に税関へ関税を立て替えて支払ってくれます。その後、受け取るときに「関税+消費税+立替手数料」をまとめて請求される仕組みです。

支払い方法は、現金代引きやクレジットカード決済など業者によってさまざま。最近はカードや電子マネーで支払えるケースも増えてきています。

一方で、輸入量が多いビジネス利用の場合は少し流れが違い、輸入者自身(または通関業者を通して)税関に直接支払うケース もあります。特に法人輸入やコンテナ単位の大口輸入では、銀行振込などで納付するのが一般的です。

つまり関税は、「海外から商品を輸入した責任者=輸入者」が支払うのがルール。受け取りのときに払うケースが多いですが、ビジネス輸入では事前にまとめて納付することもある、と覚えておけば安心です。

関税がかからない?免税ルールを理解しよう

「関税って必ず払うものじゃないの?」と思われがちですが、実は条件によっては 免税(税金がかからない) になるケースもあります。特に個人輸入を考えている方にとっては、ここが大事なポイントです。

まず押さえておきたいのは、CIF価格(商品代金+送料+保険料) が基準になるということ。
個人使用が目的の場合、このCIF価格が 16,666円以下 であれば、関税も消費税もかからず免税となります。たとえば「海外通販でちょっとした洋服や雑貨を1点だけ買う」といったケースは、この免税ルールに当てはまることが多いんです。

ただし注意したいのは、販売目的(商用輸入)では免税が一切ない という点。どんなに金額が少なくても、CIF価格を基に関税と消費税が必ず発生します。「販売用」と判断された時点で、免税の特例は使えないと考えておきましょう。

さらに、個人輸入でも例外があります。たとえばアルコールやたばこ、香水といった一部商品は、たとえ金額が少なくても別途課税されるケースがあります。

要するに、免税ルールは「すべての商品が対象」というわけではなく、用途(個人か商用か)と品目によって変わる ということ。これを知らずに輸入すると「免税のはずなのに請求された…!」というトラブルにもつながるので、しっかり理解しておくことが大切です。

関税の計算例まとめ

では、関税がどのくらいかかるのかを実際に計算してみましょう。レディース服や革製品、無税のパソコンや書籍など、5つのケースで比較してみます。

① レディース服(関税率:10%)

  • CIF価格:10,000円
  • 関税:10,000円 × 10% = 1,000円
  • 消費税: (10,000円+1,000円) × 10% = 1,100円
  • 合計:2,100円の税金

👉 衣類は関税率が比較的高めなので、アパレル輸入では要注意です。


② プラスチック製品(関税率:3.9%)

  • CIF価格:8,000円
  • 関税:8,000円 × 3.9% = 約312円
  • 消費税: (8,000円+312円) × 10% = 約831円
  • 合計:1,143円の税金

👉 日用品のプラスチック製品は低めの税率ですが、数量が多いと積み重なります。


③ 本革財布(関税率:16%)

  • CIF価格:20,000円
  • 関税:20,000円 × 16% = 3,200円
  • 消費税: (20,000円+3,200円) × 10% = 2,320円
  • 合計:5,520円の税金

👉 革製品は特に関税が高め。販売目的なら必ず計算に入れておきましょう。


④ ノートパソコン(関税率:0%)

  • CIF価格:50,000円
  • 関税:0円(無税)
  • 消費税: 50,000円 × 10% = 5,000円
  • 合計:5,000円の税金

👉 パソコンやスマホなどの情報機器は関税がかからない品目。ただし消費税は必ず発生します。


⑤ 書籍(関税率:0%、消費税も免税対象)

  • CIF価格:5,000円
  • 関税:0円
  • 消費税:0円
  • 合計:0円(完全免税)

👉 本や雑誌は、教育・文化振興の観点から関税も消費税も免除されています。


こうして具体例を見てみると、「どの品目か」で大きく変わる ことがわかりますね。
「洋服や革製品は税率が高い」「IT機器は無税だが消費税は必須」「書籍は完全免税」など、商品ジャンルごとの特徴を把握しておくことが大切です。

中国輸入でよく仕入れられる20カテゴリーと関税率の目安

輸入ビジネスでよく扱われる商品ジャンルを20カテゴリーにまとめ、それぞれの 関税率の目安(一般的な税率) を一覧にしました。
※実際の税率はHSコードや細かい品目分類によって異なるため、あくまで「目安」としてご覧ください。

カテゴリー関税率の目安補足
レディース服(アパレル)約4.4〜13.4%繊維や素材で変動。ニットはやや高め
メンズ服(アパレル)約4.4〜13.4%レディース同様。シャツ・パンツなど
靴(革製)30%または4,300円/足革靴は非常に高関税
靴(布・合成皮革)約20〜24%スニーカー・子供靴など
バッグ(本革)約14〜16%素材が革の場合は高め
バッグ(PUレザー・合成皮革)約8%革よりは低め
バッグ(布製)約9〜12%トート・エコバッグなど
アクセサリー(装身具)約5%金属製のアクセサリー類
腕時計0%関税ゼロ。消費税のみ
家電(小型電化製品)0%テレビ・オーディオ等も無税
PC周辺機器0%マウス・キーボード等はITA協定で無税
スマホ・PC本体0%携帯電話・パソコンは無税
日用品(プラスチック製品)約0〜3.9%収納・掃除用品など
文具(ステーショナリー)0〜5%万年筆やボールペンは最大5%
玩具(おもちゃ類)0%人形・ぬいぐるみも無税
化粧品0%関税は無税。ただし薬機法に注意
家具(木製・金属製)0%ベッド・椅子・テーブルなど無税
寝具(布団・毛布類)約3.2〜10.9%素材により差あり(綿は低め・化繊は高め)
キッチン用品・食器0〜3.9%陶磁器・ガラス・プラスチック製など
スポーツ・アウトドア用品0%(一部約3.2%)釣具は課税あり、スキー・ゴルフ用品は無税
カー用品・自動車部品0%乗用車・部品とも無税(日本基準)
ペット用品0〜36円/kgフードは重量課税あり。首輪等は無税
照明器具(LEDランプ等)0%HS9405類は無税
工具・DIY用品0%レンチ・クランプ等は無税
健康・衛生用品約0〜4.7%マスクは約4.7%、体温計は無税

中国輸入で関税がかからないケースとは?

「中国から輸入したら必ず関税がかかる」と思いがちですが、実は条件次第で 免税(関税がかからない) になるケースもあります。ただし、ここで大きな分かれ道となるのが 「個人輸入」か「商用輸入」か です。

1. 個人輸入の場合

個人が自分で使う目的で輸入する場合、次のような免税ルールがあります。

  • CIF価格が16,666円以下なら免税
    商品代金+国際送料+保険料の合計(CIF価格)が16,666円以下であれば、関税も消費税もかかりません。
    👉 例:タオバオやAliExpressで服を1着購入した場合など。
  • 対象外となる品目もある
    アルコール・たばこ・香水などは、金額が少なくても必ず課税されます。
  • 数量が多いと商用扱いにされることも
    「個人使用」と言いつつも、大量に同じ商品を買うと税関から「販売目的」と判断され、商用輸入扱いになる可能性があります。

2. 商用輸入(販売目的)の場合

ビジネスで販売するために輸入する場合、基本的に 免税はありません

  • CIF価格の大小に関係なく課税
    1点だけでも、必ず関税と消費税がかかります。
    👉 例:仕入れとしてPUバッグを1個だけ輸入しても、免税対象にはなりません。
  • 適用されるのは品目ごとの関税率
    例:PUレザーバッグなら8%、本革バッグなら16%といった具合。
  • 数量・頻度に制限なし
    何個輸入しても商用扱いなので、免税枠は存在しません。

3. もともと無税の品目(個人でも商用でも共通)

次のような品目は、個人輸入でも商用輸入でも関税ゼロです。

  • パソコン・スマートフォン
  • 家電製品(テレビ・オーディオ・小型家電など)
  • 家具(椅子・テーブル・ベッドなど)
  • おもちゃ(人形・ぬいぐるみなど)
  • 化粧品(ただし薬機法の規制に注意)
  • 書籍・雑誌(消費税も免除)

✅ まとめ

  • 個人輸入:CIF価格16,666円以下なら免税。ただし一部品目は対象外。
  • 商用輸入:免税枠はなく、必ず関税+消費税がかかる。
  • 共通:もともと関税ゼロの商品(家電・PC・書籍など)は免税。

👉 ポイントは「自分の輸入が個人か商用か」で大きく変わること。特に副業で少量輸入している人は、数量によっては“商用扱い”になる可能性もあるので注意しましょう。

項目個人輸入商用輸入(販売目的)
目的自分で使うため販売・転売のため
免税ルールCIF価格16,666円以下なら
関税・消費税とも免税
免税は一切なし。
金額に関わらず課税
数量少量であれば個人扱い
大量購入は商用と判断される場合あり
数量・頻度に制限なし
すべて商用扱い
課税対象免税枠を超えた分に
関税+消費税がかかる
すべての輸入品に
関税+消費税がかかる
代表的な免税例雑貨・衣類・小物を少量購入
書籍やPCは無税
PC・家電・書籍など
もともと関税0%の品目のみ
注意点タバコ・アルコール・香水などは
金額に関係なく課税
必ずインボイスや税関申告が必要

まとめ|関税を理解して予想外の出費を防ごう

ここまで、関税の仕組みや計算方法、免税ルール、そして個人輸入と商用輸入の違いについて解説してきました。

関税は単なる「余計な出費」ではなく、国内産業を守り、私たちの暮らしに還元される大切な税金です。ただし、ルールを知らずに輸入してしまうと「思ったより高くついた…」なんてことにもなりかねません。

初心者が押さえておきたいポイント

  • CIF価格(商品代+国際送料+保険料)が課税の基準になる
  • 個人輸入は16,666円以下なら免税になる場合がある
  • 商用輸入は金額に関係なく必ず関税+消費税がかかる
  • そもそも無税の商品(PC・家電・書籍・おもちゃなど)も多い
  • アルコール・タバコ・香水などは例外的に必ず課税

輸入ビジネスでも個人通販でも、関税の基本を理解しておくだけで予想外の出費を避け、安心して中国輸入を楽しむことができます。

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